2025/06/04 18:28

こんにちは、百笑農房です!

先日、種まきから約3か月が経った「食べる宝石」ほおずきの苗を、

畑に植え付ける定植を行ないました。

霜の心配もなくなり、ようやく広い畑へとお引越し。

そしていよいよ、9月の収穫に向けた畑の本格シーズンの始まりです。

定植を前に待機中の「食べる宝石」ほおずき苗っこたち


シェフやパティシエが畑に

今年も、私たちの「食べる宝石」を《作品》として扱っていただいている

軽井沢近郊のシェフやパテシエの皆さんが、定植のお手伝いに来てくれました。

この日は総勢5名。昨年来てくれたメンバーもいたので、復習がてら簡単にレクチャーを。


マルチの穴を開ける作業。初めてだったと思うけれど、上手に開けてくれました。


みんなで手分けして作業を進めました。

土に触れ、苗を植え、空気を感じ、作業をすることで、

作業中には自然と会話も生まれ、同じ畑で時間を過ごすことで、

きっと何かが共有されていくのだと思います。


シェフやパテシエさんの料理やお菓子にはより深いインスピレーションが宿る。

百笑農房の「食べる宝石」ほおずきは、色々な人の手が交わり、

そんな風に形を変えて誰かの心に届いていくとしたら、

それは本当に幸せなことです。


慣れた手つきでテキパキと進めてくださり、予定していた本数もあっという間に完了!

今年も定植に来てくれてありがとう!


見えない時間が実を結ぶまで

農業は、種をまいてから一日二日で収穫できるものではありません。

むしろ、ほとんどが「目に見えない地味な仕事」の積み重ねでできています。

そしてお天気によっては予定していた仕事を余儀なく変更したり、

瞬時に頭を切り替えて行動しないといけないので、いつも頭の中がぐるぐる状態なんです💦

作物は人間のように声を発してくれないので、

小さな変化をしっかりと見つける必要があります。


まだ寒さの残る2月、小さな1mmの種を一粒ずつ、見失わないように蒔くところから始まります。

その後も、苗っこの様子見、水やり、温度管理、植え替え、畑の準備、草取り…。

一つひとつが地味な作業ですが、それらの積み重ねがあるからこそ、ようやく実りの時を迎えることができます。

特に「食べる宝石」ほおずきは、収穫までに約半年かかります。

その長い道のりの先に、ようやくあのひと粒が生まれます。


なかなか畑には来られないからこそ、皆さんに伝えたいこと

夫婦ふたりの小さな農房では、すべての作業を自分たちと周りの支えで進めています。

シーズン中は特に、農作業に追われ、それでも時間が足りずあっぷあっぷで、

残念ながら「誰でもいつでも来てください」とはなかなか言えないのが現実です。

また、遠方のお取引先さまも、忙しさの中で畑に来たくても来られないという方も多くいらっしゃいます。

だからこそ、こうして文章や写真を通じて、

「どんな畑で、どんな風に栽培しているのか」

「どんな想いで届けているのか」

を、少しでも伝えられたら嬉しいです。

そしてこれからお店で食べ物を買ったり、食べたりする時に、

見た目や価格だけではなく、その先にある「食べものの背景」を、少しでも想像していただけたらうれしいです。


11年目の「食べる宝石」ほおずき、定植完了!

気がつけば、「食べる宝石」ほおずきの栽培も11年目に入りました。

「初めて食べたほおずきから電気が走る衝撃」を受け、そこからスタートした時は、

右も左もわからず、今思えば思わず笑ってしまうような経験がたくさんありました。

それでも、試行錯誤を繰り返す中で、少しずつ、少しずつですが変化し、今に至ります。

収穫まで、これからまた約3か月。

こうして無事に定植を終えた「食べる宝石」たちは、

お天気、虫、病気・・・自然界の大きな洗礼を受けるでしょう。

ここ2年は特にそれらの影響を大きく受け、「ほおずきが採れない」という、甚大な影響が出ました。

今年は出来る限りの対策を立て、

出来る限りほおずきたちがすくすく、心地よく大きくなるお手伝いをしていきます。

そして秋にはまた皆さんにたくさんお届けして喜んでいただけるように、一歩ずつ積み重ねていきます。


ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございます!

ほんの少しでも、「食べる宝石」ほおずきのこと、百笑農房のこと、

「食べものの背景」に想いを馳せていただけたらうれしいです。それではまた!